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●英国骨董ハンティングの旅その9


第9回 買い付けはスリリングな世界
(コミュニケ1999年12月号掲載)

 私が古物商の鑑札を受けたのは、平成3年1月のことです。従ってまだ10年にも満たない駆け出しのアンティーク屋と言えると思います。(今では20年経過していますが)おそらく読者の中には、私のコラムを読んでいて「まだまだ若いな」と笑っておられる方も多いと思いますし、また、自分もやってみようと真似をする人もいるかも知れません。しかし、前にも言いましたように現実はそんなに甘いものではありません。これで私もケッコウ人には言えない苦労をしてきました。

 古物商(道具屋)の世界は海千山千の集まりといえます。当然、足の引っ張り合いもありますし、古くからの同業者に意地悪もされます。何十年の経験を積んでる人でも成功する人は少ないのが現状です。

 大損したという話はよく耳にしますが、大儲けしたというのは滅多に聞かれません。ましてや短期間で成功した人は私の周りでは皆無と言えます。

 私なんかは、曲がりなりにもこれで、細々と飯を食っているので、何とかやっていけている部類と言えますが、お金儲けだけなら、もっと他の仕事をした方が楽でしょう。

 この仕事を始めた当時は、「商売が軌道に乗るまで、3年間休み無しに働こう」と心に誓いました。そして未だに、1年に一週間も休まず働いているため、家庭サービスは疎かになり、妻には苦労を掛けっぱなしです。日曜、祭日、夏休み等のもらえるサラリーマンの方がずっと楽です。

 しかし、海外に出かけて色々な物を目にし、知的な欲求を満足させてくれる仕事はそうザラにはありませんし、掘り出し物を見つけだした時の快感は、一度ハマればもう抜けられません。

 私自身は、競馬、競艇、競輪のギャンブルは一切やったことがありませんし、飲屋街を飲み歩く習慣もありません。また、ゴルフも麻雀もしたことがありません。若い頃に少しパチンコの経験があるくらいです。私にとってこの仕事のギャンブル性は、何物にも代え難い唯一のものと言えるでしょう。

 買い付けた品物が1カ月余り後にコンテナで到着した日は、アルバイトのスタッフを含め10人程で荷下ろし作業をしますが、この瞬間が私にとって1番楽しい時です。品物が下ろされてくるたびにスタッフの前で、つい有頂天になって、その時の苦労話やタイミング良く掘り出し物を見つけた話等を聞かせてしまい、皆から失笑を買ってしまう有り様です。
トムリンソン
(ヨークシャーの家具の集荷場の駐車場で)
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