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●英国骨董ハンティングの旅その8


第8回 目利きへの道は険しい

(コミュニケ1999年11月号掲載)

 どんな商売にしろ、その極意はいかに値打ちのある物を安く仕入れられるかに尽きると思いますが、これがなかなかうまく行きません。特に初めの間は蚤の市(フリーマーケット)にある物は何でも素敵な物に見えてしまい、面白い形の栓抜きやパイプなど、業者がいかにも楽しげな様子でニコニコと説明を加えると、心が踊ってしまい、日本へ持ってって帰っても商売にならないことを忘れて買ってしまうこともよくあることです。

 また、単に自分の趣味の範囲で海外の蚤の市や、アンティークショップで買い物をする場合は、お金さえあればアンティークドールでもテディベアーでもコレクションとして自分なりに納得して部屋に飾っていれば良い訳ですが、プロになるとそういう訳には行きません。運送料、滞在費、経費、旅費、通関料、保険などを支払わなければなりません。そして日本へ持って帰っても、売れるという保証は何もないわけです。すべて自己責任なのです。お金さえあれば手に入るアマチュアの世界とは違います。

 それと、趣味の段階ですと自分の好みだけにジャンルを絞って知識を深めれば良いのですが、プロとなると全般に広い知識が要求されます。というのは、私が初めて海外の蚤の市を訪れたときは、まだスージークーパーもオールドノリタケも随分安かったのですが、今では日本人バイヤーの注文が多く、すっかり高嶺の花になってしまいました。もしあの当時それが分かっていれば、結構いい商売が出来たのに、と今悔やんでみても後の祭りです。

 また、HMVの蓄音機を何台か輸入した時には、そのうちの1台が滅多に手に入らない名機であったのを知らずに、商談が成立した後に、そのお客様から「相場の10分の1で手に入った」と打ち明けられたこともありました。

 こうしたことは、まだ私が商売を始めて日が浅かったからと言えばそれまでですが、プロとしては肝に銘じておかなければならないことです。

 よくお客様から買い付けに連れていって欲しいと言われますが、これもお断りしています。
 それはまず、現地で万が一トラブルが起こるとホームステイ先に迷惑がかかること。
 買い付けのスケジュールはかなりタイトなため、同伴者がいると時間と労力の無駄遣いになり、またその人が英語がダメな人なら通訳に時間を取られてしまうこと。
 欲しい商品が互いにバッティングしてしまうこと。などがその理由です。

 年に3回の買い付けのチャンスをその人に邪魔されることになってしまいます。1回の買い付けで掘り出し物と言える商品は、ほんの数点でしょうから…。
 
パンクファッション
(ロンドンのフリーマーケットのカムデンロックの入り口付近で、パンクファッションの若者たち)
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